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償還が相次ぐ投資信託、四半期ベースで本数が初めて減少したことの意味

公募投信の本数は、上場企業の数の3倍以上もある


皆さんは、日本で一般個人向けに販売・運用されている投資信託(公募投信)が何本あるか知っているだろうか?


一般社団法人 投資信託協会が発表した統計資料によれば、2018年4月末時点で公募投信は6,144本あると確認できる。ちなみに、公募投信の純資産残高は、同年4月末で111兆4,632億円と巨額だ。

東京証券取引所第1部に上場されている銘柄数が約2,000社だから、その3倍以上ある投信の本数は決して少なくない、いやむしろ多過ぎると言っていいだろう。

https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/


ところが、年々増加を続けていた投資信託の本数が2018年1〜3月期に減少したことが日本経済新聞の記事で報道された。四半期ベースでは、統計データのある2008年以降、本数の減少は初めてとのことだ。

2018年の第1四半期に112本の投信が新規設定された一方で、120本が償還されたので、差し引き8本が2017年末から減少した。


かつて人気だった毎月分配型投信は・・・


日本では、個人投資家(主に、金融リテラシーが高くない高齢者層)が好む毎月分配型の投信がこれまで増えていたが、近年は金融庁から長期の運用にそぐわないと厳しく批判されている。また、その時々に話題となった投資テーマに沿った投信が金融機関にとって販売しやすいとされてきたが、その様なテーマ重視の投信設定は減少傾向にある。

金融庁による指導やガイドラインの影響もあるだろうが、投資家自身が、分配金や商品内容の目新しさよりも投信の運用実績を重視するようになっていきていることが背景にある。

日経新聞の記事でも指摘されている通り、投信の市場構造が変わりつつあるのだ。


これまで、銀行や証券会社をはじめとする投信の販売会社は系列の運用会社と組んで、テーマ性があったりリスクの高い資産を組み入れて分配金利回りを高く設計したりした投信を相次いで新規設定してきた。


設定当初の販売攻勢で運用残高を一気に積み上げて販売手数料を稼ぐ取ために、勧誘しやすい投信の本数をどんどん増やしてきたわけだが、投信の本来あるべき姿(長期資産形成に資するという意義)からかけ離れた商品設計・販売姿勢スタンスから、ようやく軌道修正が図られた結果であるのなら、投信の本数が減少したことは喜ばしいことであるといえよう。


大手運用会社の投信も償還が目立っている


投信全体では依然として資金の流入が続いているが、毎月分配型や低金利で運用しにくくなっている債券型の投信の償還が目立っている。

大手運用会社のアセットマネジメントOneは、3月に毎月分配型の債券投信を償還し、大和住銀投信投資顧問は4月に高金利債券で運用する投信を償還した。いずれも残高が小さく、運用会社が効率的に運営するのが難しいからだろう。


投資対象の資産やその市場規模にもよるが、投信が安定的に運用にされるためには、少なくとも50億円程度の運用残高が必要だと言われている。

保有している投信が運用状況に関わらず償還されてしまえば、含み損失を抱えている個人投資家にとっては強制的に損失を確定させられることになってしまう。運用残高が少な過ぎる投信は最初から選ぶ対象から外しておくことが無難だ。


投信の償還や運用会社の合併は、投資家にとってメリットがある


運用残高が少ない小規模の投信が償還(または整理・統合される)されることや、運用会社同時が合併することで運用効率が高まれば、運用管理費用(信託報酬残高)の引き下げも期待できる。

そう考えると、個人投資家にとって投信の本数減少の流れは大いに歓迎できることかもしれない。

at 09:00, gmoneylife, -

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