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外為証拠金取引の今後

久しぶりのブログ掲載です。
さて、8月上旬に金融市場への影響が顕在化した米国のサブプライムローン問題ですが、正解同時株安と同時に、円キャリートレードの巻き戻しによる急激な円高が引き起こされたことは皆さんご承知の通りです。日米欧の中央銀行の連携による連日の市場への緊急資金や米国FRBの公定歩合引き下げが功を奏して、金融システム不安の発生はひとまず回避された状況です。株価も、米国・欧州市場に比べると戻りが鈍いですが、日本株式市場も次第に回復基調に乗ってきていると個人的には思います。ただし、リスクマネーの収縮が完全に収まった訳ではありませんので、今後さらなる金融機関の巨額損失・ヘッジファンド等の破綻が明らかになれば、株式市場への悪影響や円高傾向への揺れ戻しに警戒が必要でしょう。
さて、当FP事務所の顧問客の友人で、8月中旬の急激な円高によって外為証拠金取引(FX)で約200万円の損失を被った方がいました。
皆さんご存知の通り、FX取引は、一定額の証拠金をFX業者に預けて、保証金の数倍から50倍程度までの外貨を売買する投資です。この方は1年ほど前よりFX取引を始めて、比較的順調に利益を上げていたそうですが、今回の急激な円高で今までの利益はおろか200万円の損失を被ったとのことです。取引の詳細は分かりませんが、レバレッジ50倍(委託保証金の50倍額の取引)の円売りユーロ買いのポジションを持たれていたそうです。おそらくある程度の為替含み損を持った状態で、ポジションの保持をされていたところに、今回の急激な円高で一夜にして、ロスカット(保証金維持率が一定割合を下回った場合に反対売買で損失を確定すること)にかかり、損失確定のポジション解消に追い込まれたのでしょう。
この方は、損失額が多額であるために、ご家族の方にも知らせることができず、相当なストレスを持たれているようです。
FX取引は、リスク管理を適切に行わなければ、非常にハイリスクな外貨投資です。実は、私もFX取引をしておりますし、今回のサブプライムローン問題を発端とする円高で、相応の損失を被りました。実は、今年の3月にも、中国株式市場の下落に端を発して、世界同時株安および急激な円高が発生しました。ただし、為替は、1ヶ月前後円高水準を保った後に、円安トレンドに戻りました。米国のサブプライムローン問題は根が深く、住宅市場のみならず、信用収縮や米国の実体経済へ悪影響はさせられないことを踏まえれば、3月の時ように、一定期間後にまた円安トレンドに戻るのではと安易に考えるのは危険かもしれません。
ところで、気になるのは個人投資家のFX取引に対する今後の姿勢です。これまでの長期円安トレンドの状況下では、単純に円を売って、外貨(USドル・ユーロ・豪ドル等の高金利通貨)を買う取引で、為替差益とスワップ金利(円と外貨の金利差)収入を得られました。リスクマネー収縮による円キャリー取引の急激な巻き戻しが今後も起これば、例えばUSドル・円レートで1日に3円〜4円円高に振れることもあり、FXで米ドル買いポジションを持った投資家は投資資金を容易に失う危険性があります。
個人的には、レバレッジを1倍ないし数倍にとどめ、急激な為替変動でも大きな損失を出さない取引内容を心がけるのが、当面は必要なのではと思います。ある程度、為替レートのボラティリティ(値動きの振れ幅)が収まるまでは、高レバレッジの外貨売買は避けることでしょう。
個人的な感触では、サブプライムローン・ショックによる株安よりも、急激な円高で多額の損失を被ったFXの個人投資家の方が多いように思います。なぜならば、銘柄選択に労力を要する株式投資より、円安メリットを容易に享受できるFX取引の方が、選択する銘柄(通貨の種類)も少なくより安易に取引を開始できると、一般の主婦をはじめとして個人投資家に広く人気が高かったからです。では、急激な円高で多額の損失を被った方が、今後FX取引から完全に離れてしまうのか?確かにその様な傾向もあるようです。しかし、円の低金利が、すぐには変わらない状況下では高金利の外貨通貨への投資が魅力的であることは今後も変わりがなく、また外貨投資で重要な要素である為替手数料が、外貨預金に比べて圧倒的に安いFX取引は個人投資家にとって今後も有効な外貨投資の手段であることでしょう。

at 00:16, gmoneylife, -

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