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REITへの投資を考える

加熱する都心の不動産市況ですが、すでに「不動産バブルの様相」を呈しているという声も聞かれますが、実際はどうなのでしょうか?かつてのバブル時代(1980年代から1990年代初頭の間)の不動産価格は、値上がり益のみを期待した資産バブルを背景に、上昇し続けました。「土地神話」という言葉が、バブル期の日本経済を象徴していたことを懐かしく思います。一方、昨今の不動産の取引価格は、あくまでも利用価値に基づいて、将来のキャッシュフローの現在価値によって決められるのが主流です。都心の一等地や主要駅周辺や主要道路に面した利用価値の高い土地は、オフィスビルや高級賃貸マンション用地として、外資系ファンドを中心に取得競争が激化しています。すでに、東京都心部の目ぼしい物件は取得尽くされた感があり、都心の周辺エリアや大阪や名古屋地区へ物色の矛先が移っているともいえるでしょう。バブル期の不動産の価格形成とは一線を画している、昨今の不動産市況ですが、価格高騰は紛れもない事実であり、過熱感からその反動を危惧して、不動産関連した投資へ躊躇する個人投資家の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は直接不動産へ投資するのではなく、REIT(不動産投資信託)への投資について考えてみたいと思います。2001年9月に、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステート投資法人の上場から始まったREIT(日本版という意味でJ-REITといわれます)市場ですが、市場発足当初は、5〜6%もあった利回り(年間配当金に対する投資口価格の割合)が、現在では2%前後から3%台が主流です。利回りの急激な低下の理由は、投資口価格(株価と同義)の著しい高騰です。ほぼ全ての銘柄が、上場以来価格上昇を続けています。とりわけ東京証券取引所のREIT指数は2006年後半から、約4割上昇しています。一般の株式より比較的高い配当金額が、個人投資家に魅力があることは間違いありませんが、個人だけでなく。安定利回りの見込める運用先確保に苦慮した地方銀行などの金融機関や、外国人投資家がREITへ資金投入したことも、REIT市況の過熱が継続している原因だと言えるでしょう。
では、今REITへ投資することに魅力はあるでしょうか?仮に、3%の配当利回りが見込めるREIT銘柄への投資を考える際に、比較対象として挙げられる投資対象は10年物国債です。現在10年物国債の利回りは1.6%台です。それに比べたら、3%の利回り自体は、まだ魅力があるといえます。ただし、REITの分配金の原資は、組み込まれている不動産(オフィスや商業施設、住宅等)から得られる家賃収入ですので、分配金が将来に渡って保証されるものではありません。空室が発生して賃料収入が減少したり、金利が上昇したりすることにより投資法人の運営コストが高まれば、分配金は減ることになります。また、投資口価格は日々市場で変動しており、そもそも元本保証ではありません。今までは投資口価格は上昇を続けてきましたが、市場過熱感や将来の金利上昇見通しから、価格下落も十分考えられます。よって、10年物国債と比較するとリスクがある分、利回りが高いという結論になります。
個人的な考えを申し上げれば、REITへの投資は、詳細に開示データを調査した上で割安銘柄をピックすることができれば、まだまだ魅力的です。実際に組み入れられている物件についても調べてみることも大切です。REITは情報開示が充実しており、東京証券取引所や、それぞれの投資法人のホームページで詳細な財務データが入手できます。通常の株式価格の割安度を示す指標であるPBRでみると、数値が4倍台後半の法人から、1倍台の法人までさまざまです。また有利子負債についてもチェックしましょう。負債の大きさだけでなく、長短期の比率についても調べることによって、金利上昇リスクへの対応度を投資法人間で比較できるでしょう。

at 02:19, gmoneylife, -

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