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M&Aされやすい会社

日興コーディアルグループの上場維持が、先日東証より発表されました。シティグループによるTOBの成否も上場維持により微妙になってきたことでしょう。もし上場廃止になれば、日興コーディアル株式は市場で売買されなくなりますので、個人投資家の多くは当初のTOB・株式公開買い付け価格(1350円)に応じた可能性が高かったように思います。市場の予想に反し、一転上場維持が決まったことにより、シティによるTOB価格も26%程引き上げられて1700円になりました。買い付け価格をめぐっては日興コーデ株を保有する複数のヘッジファンドなどが「2000円以上の価値がある」と表明しているため、今後も買い付け価格が引き上げられる可能性があり、シティが50%超の日興コーディアル株式を取得するTOB成立は予断を許さない状況になりました。
さて、今回のシティグループによる日興コーディアル買収は特殊事情がからんでいるケースですが、今年5月より海外企業による三角合併が解禁され、外資による国内企業のM&A案件が今後ますます活性化しそうです。買収手法として用いられるTOBでは、成功率を高めるためにTOB価格は直近の株価水準より高めに設定(2〜3割のプレミアムが上乗せ)されることが通常です。個人投資家の立場からすると、M&Aの対象になりやすい企業を探し出すことができれば、将来の値上がり益を期待でき大きなリターンを得ることができるかもしれません。
公開情報や企業が開示している情報のみで、どのようにしたら、そのような会社を探し出すことができるのでしょう?そこで、買収の対象になりやすい会社かどうかを判断するために使用される指標である「M&Aレシオ」を紹介致します。この指標は、買収されやすいかどうかを大づかみに判断する代表的な指標の一つで、M&A仲介の専門会社レコフが開発したものです。

M&Aレシオ=(時価評価×50%−金融資産)÷ (税引き後営業利益+減価償却費)

分子=実質買収コスト
分母=買収先企業の生み出すキャッシュフロー

経営を支配できる過半数の株式取得に要する金額から、その企業が保有する金融資産を引いた額を実質買収費用と定義し、それを買収先企業が稼ぎ出す年間キャッシュフロー(税引き後の営業利益と減価償却費の合計)の何年分で回収できるかを計算したもので、いわば買収の費用対効果を表す指標ともいえるでしょう。
この数値が小さいほど、買収コストの回収にかかる期間が少なくて済む、つまり買収されやすいということを示し、数値がマイナス(分子である実質買収コストがマイナス)の場合は、金融資産が豊富で、買収した時点ですでに買収コストを回収できていることになります。
日経新聞記事(1月17日)によれば、M&Aレシオランキングの(数値がマイナスもしくは小さい企業ランクキング)上位には、大手ゼネコンや、かつて村上ファンドが買収を仕掛けた企業が並んでいます。
もちろん、ただM&Aレシオがマイナスもしくは低かったりするだけで、必ずしも買収されやすいとは限りません。他の株価指標であるPBR(純資産倍率)などを考慮して株価が割安かどうかも同時に確認しておきましょう。
M&Aは、まさに今年の株式投資の大きなテーマになるでしょう。

at 00:58, gmoneylife, -

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