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リタイア後の資産運用

将来の公的年金や医療制度の不安が次第に大きくなる昨今ですが、誰にでも訪れるアフターリタイアメント(退職後)の生活についてまずイメージしてみて下さい。子育てや教育資金準備・住宅購入とローン返済等は、主に現役で一定収入がある程度確保されている時期に発生するライフイベントであるため、しっかりとしたプランとその実行ができなくても、また資金準備のための資産運用に失敗をしても、そのマイナス分を新たな収入でカバーすることができます。またある程度ライフイベントの時期を先延ばしにすることも可能です。しかしながら、基本的に年金収入しか見込めない老後成生活においては、退職金を利用した資産運用の大きな失敗は取り返しがつかないことになります。お子さんたちが独立し、住宅ローン返済が終了した状況下においても、ほとんどの方々が病気の際の医療費や住宅のリフォームなど、基本生活費以外の出費が想定されますし、趣味やご旅行を楽しむゆとりのもてるライフプランを実現したいはずです。そのためには資金収支表(キャッシュフロー表)の作成をすることがまず大切になります。
キャッシュフロー表作成の重要性は、現役世代と変わりませんが、60歳代(退職後)から始める資産運用においては、下記の留意点を忘れてはいけません。
● 現役世代と比べて、運用期間が比較的短い
● 年金収入では賄えない生活費の補填のため、運用プランは流動性を十分確保
● 資産をいくらお子さんたちに残すか
● インフレへの対処が重要

リタイアメント層の資産運用にとって、最も留意しなければならないのが「インフレ」への対処です。現役世代ならインフレに伴って収入も増えますが、リタイア後はそうはいきません。物価上昇率が1%を超えない限り年金は増えてくれないわけ(マクロ経済スライド)ですから、インフレはとても困る事態だといえます。したがって、インフレに対する抵抗力を上げておくことが、資産運用の最重要課題となります。インフレをヘッジするには、ポートフォリオに株式や株式投信等のリスク資産を組入れることがある程度必要になりますが、まずはポートフォリオ構築のポイントとして目標利回りを設定しましょう。

例えば、年平均4%台の利回りを目標(控えめな目標ですが)とした場合、全資産の内
50%を、安全資産である円定期預金もしくは個人向け国債で運用・・・利回り1%〜1.8%
50%を、リスク資産である株式や外国債券、その他投資信託で運用・・・利回り5%〜7%
といった具合の投資配分で目標は十分カバーできます。

それでは、具体的にどのようなリスク資産をポートフォリオに組入れたら良いのでしょうか。上記の例として、リスク資産で5〜7%のリターンを得るのなら、リスクを極力抑えた投資対象・金融商品の選択が可能です。リターンのブレ(標準偏差といいます)が大きくまた、不確実性をともなう新興国の債券(エマージング債)や国内外の株式への投資配分を高くすることは、よほどのリスク許容度がある場合以外はおすすめできません。そこで、先進各国の国債への投資配分をメインに検討してみてはどうでしょう。米国の10年物国債でしたら現在でも4%台後半の利回りが得られます。豪州国債なら6%前後の利回りも満期保有でしたら確定です。もちろん為替リスクはありますが、運用終了時点で著しい円高になっていれば別ですが、運用開始時点の為替レートから20%程度までの円高(例えば1ドル・120円が100円を少し超える円高になっても)なら、10年間の運用益で十分カバーされます。つまり、4%台の目標利回りならば、ポートフォリオに組入れるリスク資産は、株式(国内・海外問わず)よりも、米国債券や豪州国債を運用ベースとした金融商品を中心とした方が、現状では良いでしょう。つまりインフレ対応と国際分散投資の観点からも、高利回りの先進国国債への投資配分をポートフォリオ構築の要とします。
ただし、米国長期金利(10年物国債利回り)は、米国経済のピークアウトとインフレ懸念の後退が明確になる近い将来、低下していくことが予想されます。もし、中央銀行(FRB)が現在据え置いている政策金利の水準(FFレート年5.25%)を引き下げるような状況になれば、米国債投資のポートフォリオ組入れは再検討する必要があるでしょう。

また、先進国国債での運用(米国債ファンドや年金保険商品を含む)に、ある程度の株式(内外の株式投信含む)を組み合わせることにより、ポートフォリオ全体の長期運用リターンを高めることも期待でき、また互いに異なる値動きをする両者を組み合わせは、リスク分散効果を出すことにもなります。先進国国債運用と株式運用の比率は、“3対1”もしくは、“4対1”程度でいいでしょう。

リタイア後の資産運用は、大きな損を出しにくい形をつくることが大切です。大勝しない代わりに大負けもしない運用が実現することです。負けにくい形をつくり、追い風を待つ――現役世代と違い、新たな収入で運用のマイナス分を埋めるのが難しい、リタイア後の資産運用においては、これが王道といえるでしょう。リタイア後のキャッシュフロー表をしっかりと作成し、無理のない目標リターンを定めたポートフォリオ運用のアドバイザーは、独立系FPをおいて他にないでしょう。ぜひ一度ご相談されてはいかがでしょう

at 22:02, gmoneylife, -

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