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「土地の有効活用」について

私のクライアントの中で、土地持ちの方が数名いらっしゃるのですが、その内のお一人(Kさん・55歳)から、某大手ハウスメーカーから提案されたアパート経営プランに関するご相談依頼を受けました。Kさんは、5年ほど前に亡くなられたお父様から宅地を相続されました。その宅地は更地状態で、当初は建築資材置き場として利用されていましたが、現在は月極駐車場として月5万円から8万円の収入があるとのことです。
某ハウスメーカーの営業担当者いわく「現在の駐車場からの収入では固定資産税の支払負担を賄うことがやっとですので、より高い収益性が期待できるアパートを建築して土地の有効活用をしましょう」という提案です。
さらに、営業マンのセールストークとして、
●20年間の家賃保証をします
●将来の相続税評価額の低減が図れます
●土地と建物(建築されるアパート)を担保にすれば十分銀行から借入可能
等々を強調されたそうです。

ご相談を受けた私は、早速現地の実地調査へ行きました。その土地は、小規模な倉庫や工場と住宅が混在した地域にありました。日当たりは良好でしたが、大通りには面しておらず、また最寄り駅はなくバス停まで徒歩で5分程度という環境です。

近隣には、築年数20年以上と思われるアパートやマンションがいくつかありましたが、「空室あり」との広告看板がかかっている物件が多く、立地という観点では、必ずしもアパート建築に適していないと思われました。

Kさんの考えでは、アパート経営は初めてで不安だが、ハウスメーカーが家賃保証をしてくれるし、そこそこ収益があがれば、老後生活資金の助けになり、また将来の相続対策にもなるのなら、思い切ってアパートを建築したいとのことでした。

この「土地有効活用プラン」を実行するかどうかの最終結論は、まだ出ておりませんが、私は、以下のポイントをKさんに説明の上、慎重に検討をされることをアドバイスしました。
●ある程度の自己資金(総建築費用の20%前後)は用意できるか?
●入居率の予測は、保守的に見込むこと
●管理や修繕計画など、きめ細かい収支計算を行うこと
●家賃保障は、基本的に安心できるものではない
●交通の便があまりよくないので、周辺物件と差別化した仕様のアパートにすること

ハウスメーカーや不動産業者が行う家賃保証(一括借り上げ)というのは、通常2年おきに保証家賃の見直しがあります。満室状態の家賃総額の8割を当初は保証するが、その後、空室率が上がってくると、更新時にはその時点での入居水準をベースとした家賃総額の8割を新たな保証家賃として設定します。つまり、業者側は常に2割の手数料を得ることになり、次回更新までの2年間に著しく入居率が下がらなければ、大きなリスクをとることはありません。換言すれば、いくら業者の長期家賃保証がついていても、空室リスクのほぼ全てはオーナー側がとることになります。

今回のケースのように、交通の便がよくない立地で、仮にアパート・マンション建築をするのであれば、よほど周辺物件との差別化を図って魅力的な物件にする必要があります。
例えば下記のようなアイデアなどがあります。
●車好きな入居者を見込んで、一階部分を全て、シャッター付きの駐車ガレージにする
●動物好きの入居者用に、ペット対応のマンションにする

業者は、あの手この手のセールストークを駆使して、アパート建築を勧めて来ます。彼らは建築することが目的であり、そこから利益を得ます、その後の収支や資金計画は、二の次三の次であり、家賃保障はあくまで、土地オーナーが建築の決断をし易くするための「誘い水」でしかありません。
また、仮にアパートの建築を進めるにしても、信用できる業者かどうかを見極めることも大切です。いたずらに建築プランを早く実行するように促す業者は、まず信用できないと考えたほうが無難です。

アパート建築・経営は、非常にリスクの高い不動産活用です。業者から提示されたプランを鵜呑みにせず、さまざまな角度からリスク要因を分析することが重要です。その際に、不動産有効活用に精通した独立系FPを良きアドバイザーとされることを強くお勧め致します。

at 17:50, gmoneylife, -

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山崎, 2009/11/12 4:36 AM

土地活用について、詳しく聴きたいです










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