放置された銀行預金「休眠口座」は国に没収されるのか!?

休眠預金活用法が成立!

10月12日付の日経新聞にて休眠口座に関する記事が掲載されていた。
日本では既に2016年末に休眠預金活用法が成立しており、10年以上にわたって取引がなく放置された預金すなわち「休眠口座預金」は、2019年から預金保険機構などを経由してNPO法人などの公益活動を行う社会団体へ助成されたり融資されたりしてその資金を活用できるようになった。

いよいよ来年1月から、10年以上放置された預金が社会事業に活用されることになるが、これまで銀行が管理をしてきた休眠口座が、法律にしたがって、国が管理することになる。
記事でも言及されているが、潜在的な休眠預金は現在約6,000億円で対象の口座数も6,000万を上回る見通しであることには驚いてしまう。

自分の預金が休眠口座になってしまったら?

預金者本人が気付かなければ、預金の権利は国に移ってしまい、口座を保有する銀行に申し出をしなければ手元に戻らない。
だからこそ全ての国民は注意をする必要がある。日本国内の成人のほぼ全ては、銀行口座を持つ預金者なのだから。

念のために補足しておくと、休眠預金は国が完全に没収するというわけではない。預金は預金者の個人資産であり、国は憲法で守られている財産権を侵害できない。よって、預金者はいつでも請求をすれば払い戻しは可能である。
請求手続きは、通帳や口座番号など過去の取引を確認できる書類を用意して、金融機関の窓口に問い合わせをすればいい。通帳や印鑑、免許証などの本人確認書類を持参すれば、窓口での手続きは比較的スムーズに済んで預金を引き出せるだろう。長年放置していた銀行口座のため、万一印鑑を紛失していても改印手続きをすれば大丈夫だ。

ただし、請求手続きは預金者本人が申し出る必要がある。口座開設時に届け出た住所が引越しにより変わっていても、登録住所を変更していない場合は多いだろうし、そもそも本人がどの銀行に預金していたかを忘れてしまったりしていると預金を取り戻すことは難しい。本人が高齢になり認知症で思い出せなかったりすれば尚更だ。本人が休眠預金の存在に気付かなければ、預金を失ってしまったことと同じである。

休眠預金が公益や社会のために有効活用されるのなら・・・

金融庁の試算では、現在6,000億円程ある休眠預金の残高は、払い戻し要請がある分を差し引いても毎年600億円前後増加しているとのこと。預金大国日本の眠った資産が公益活動に活用されることはとても有意義であるが、この資金が少子化対策などの社会保障の一部に充てられる程の財源規模として少ないことは残念だ。

休眠口座の資金が公益活動に有意義に使われるのであれば、個人的には少額の預金(数千円程度なら?)をあえて手続きをしてまで払い戻すことはしないかもしれない。



at 13:51, gmoneylife, -

comments(0), trackbacks(0), -

人生100年時代といわれる中、若者は平均寿命まで生きるつもりはない!?

ITmedia ビジネスオンラインのウェブサイトで「あなたは何歳まで生きたいですか?寿命への意識と平均寿命のギャップ」という記事に目がとまった。

メットライフ生命が行った調査(20〜79歳の男女1万4100人が回答をし、調査時期は2018年8月)で『あなたは何歳まで生きたいか?』との問いに、20歳代の若年層では平均寿命を下回る『77.5歳』までという結果が出たとのこと。
20歳〜70歳代の男女の中で、20歳代が回答した希望寿命の77.5歳が最も短いことも分かった。

一方、60歳〜70歳代の希望寿命は『84.5歳』で調査対象の全年齢層の中で最も長いという結果だった。
あくまで一民間企業の調査に過ぎないのだが、シニア層に比べると、若年層は平均寿命を全うしたいという意識が弱いという結果は、まあ理解できなくはない。
しかし、将来に希望が持てず、どうせ生き甲斐のない人生なら、あえて長生きしたいとは思わないという若者が少なくないのであれば、そのこと自体は大変由々しきことだと思う。
あるいは、20歳代の若者の多くは、自分自身が何歳まで生きたいかなどは考えたこともないのかもしれない。

自分で意識する寿命と平均寿命に大きなギャップがある

記事でも言及されているが、日本人の平均寿命は毎年過去最高を更新しており、2017年の平均寿命は、男性が81.09歳で女性が87.26歳となっている。したがって、男性60〜70歳代を除いて、男女ともに全年齢層において、平均寿命よりも短い寿命意識持っている、つまり実際に生きるであろう寿命まで生きるつもりがないという調査結果か出たと解釈できる。
私たちは自分の寿命を自身で決めることは当然できない(日本では、安楽死はもちろんのこと、尊厳死すら法的に明確に認められていない)し、何歳まで生きたいかという寿命意識が実際の寿命と乖離していること自体は何ら不思議ではないのだが、「意識している寿命と実際の寿命に大きなギャップがある」ことは、退職後の生活資金や介護費用等の老後に備えた準備が十分にできない人が今後続出するかもしれないという懸念はあるだろう。

若者は自分自身の老後を意識することができない!?

調査結果をそのまま捉えて、20歳代の若者の多くの意識が平均寿命まで生きたくないということではなく、自分自身がいずれ老いていくことをイメージできない、あるいは単に老後生活を考える機会が少ないということも十分考えられる。年齢を重ねるごとに老後に対する不安度は上がっていくだろうから、40歳代が最も不安度が高い世代(87.6%)という調査結果は納得ができよう。20歳代が「認知症」や「自らの介護」への不安度が比較的高いという調査結果は少し意外な感じもしたが、いたずらに長生きはしたくはないが、自分自身が認知症になったり要介護状態になったりした場合の不安や備えを考えていることには好感が持てる。

結局のところ、単に長生きすること自体に意味がない

とにかく長生きすることはいいことだ!長生きするために健康に気をつけた生活を心がけよう!」と必死になったとしても、その長い人生自体が食事節制や老後に向けた過度な節約行動等に追われた「苦痛と苦悩」に満ちたものになるのなら、そこまで必死になって長生きするメリットはないと考える人は少なくないだろう。人生100年を前提にして、若い頃から老後のための人生設計に四苦八苦することで、人生が不幸になるのなら本末転倒といえる。

もしかしたら、若い人ほど希望する寿命が短くなっている理由は、彼らがそれだけ「長生きすること自体には意味がない」と気づき始めているからなのかもしれない。

at 19:03, gmoneylife, -

comments(0), trackbacks(0), -

日本人の現金信仰が影響?切符券売機で現金引き出しが可能に!


東京急行電鉄が、ゆうちょ銀行、横浜銀行と協力し、東急の各駅に設置された切符の券売機で現金を引き出せるサービスを始めると先日各メディアが報道した。現在は実証実験中とのことで、本格的なサービス開始は2019年春からと発表されている。駅の券売機で、ATMの様に現金を手軽に引き出せるようになるのは日本では初の試みらしいが、キャッシュレス化が進む昨今、このサービスを利用する人は多いのだろうか?と最初は少し疑問に思ってしまった。



現金引き出しの仕組みはこうだ。まず、ゆうちょ銀と横浜銀の専用スマートフォンアプリで事前に引き出したい金額を申請する。そして、スマホ上に表示された「QRコード」を切符券売機の読み取り機にかざすと、現金が引き出せるという流れだ。


ゆうちょ銀行もしくは横浜銀行の口座を保有していることが前提と思われるが、東京〜神奈川の東急沿線に住む人たちをターゲットにしているので、潜在顧客は数百万人規模になるだろう。引き出し手数料は1回あたり100〜200円程度を想定しているとのことだが、ATMを使うためにわざわざ銀行やコンビニに立ち寄る手間を省けるのなら、通勤や通学などで東急の駅を毎日利用する人たちにとっては便利になるかもしれない。


現在は、スマートフォンを持ち歩けば、電子マネーやクレジット&プリペイドカード機能をアプリで使えるため、コンビニやスーパー、大手チェーンの飲食店などは現金を持たずに決済ができる。つまり、ほぼ現金いらずで普段の生活ができるようになったといっていいだろう。


しかしながら、ある程度の現金を財布に入れておかないと不安に思う人はまだ多いだろうし、現金でないと支払いができない個人経営の店も日本では少なくない。

そう考えると、駅券売機での現金引き出しサービスは意外と大きなニーズがありそうだ。東急に続いて、今後は他の鉄道会社などにこのサービスが広がっていくかもしれない。JR各社が導入すれば駅券売機のATM化が一気に進んでいくのかも!?


駅券売機での現金引き出しサービス導入の背景には、スイカ・PASMOなどの交通系電子マネーが普及したことにより、切符券売機の設置台数が年々減少してきていることがある。鉄道会社にとって単純に業務効率化を進めるのであれば、券売機を限りなく減らしてくことも選択肢になりそうだが、スマートフォンやスイカを利用できない高齢の利用者等に配慮するためには、年々稼働率が下がっているとはいえ、切符券売機の台数はある程度維持する必要がある。維持費のかかる券売機の稼働率を高めるために、現金引きサービス機能を付加することを思いついたというわけだ。


しかし、そもそも現金引き出しニーズが根強いこと自体が時代に逆行しているといえそうだし、日本人の現金信仰が諸外国と比べても相当に高いという事情は興味深い。


日本の現金決済比率は約60%とダントツに高い。


ボストンコンサルティンググループによる試算では、主要先進国の現金決済比率は、ドイツ・イギリス・オーストラリア・米国がいずれも30%台で、北欧スウェーデンは約10%とかなり低い。一方、新興国の現金決済比率は高めで、インド・インドネシア・フィリピンでは70%台である。

主要先進国の平均が32%とのことだから、日本人の現金信仰の高さが際立っているのは明らかだといえよう。


私自身、駅の券売機で切符を購入する機会はほとんどなくなった。名古屋を中心とする東海エリアでは、JRと私鉄各社で相互利用ができる「マナカ」という交通系電子マネー(プリペイドカード式)が普及していて、それを使って鉄道やバスに乗っているからだ。


今回の東急電鉄による現金引き出しサービスの導入は「切符券売機の稼働率を高めたい鉄道会社」「コストのかさむATMを減らせる銀行」そして「現金引き出しニーズのある駅利用者」の3者それぞれにメリットがある試みだと思う。


今後のサービスの広がりにおおいに注目したいところだが、キャシュレス化やITと金融の融合が進むフィンテック時代の中にあっても、日本人の現金信仰の強さをあらためて認識させられてしまった。

at 13:40, gmoneylife, -

comments(0), trackbacks(0), -

FIFAワールドカップで導入されたVARについて思うこと

6月14日から始まったFIFAワールドカップ ロシア大会は、各国の代表チームが連日の好ゲームを演じていて、深夜のTV中継を夢中になって観ている私は寝不足の日々が続いている。開幕戦の「ロシア 対 サウジアラビア」の試合は、アジア予選で日本代表を散々苦しめたアジアの雄サウジが、大量失点を喫してロシアにあっけなく大敗した。あまりにも大きな衝撃を受けたため『日本代表チームは1勝どころか、3戦全敗してグループリーグ敗退するのでは!?』と日本のサッカーファンも悲観的な予感を持ったのではないだろうか。

もちろん、大方の予想を完全に覆した日本代表チームは、初戦のコロンビア戦を2-1のスコアで快勝した後、苦戦が予想された第2戦でもセネガル相手にスコア2-2の堂々たる引き分けという結果を残した。
サッカーに限らず、スポーツというのは世界ランキングや事前の戦力分析だけでは決して測れない要素やドラマティックな展開が繰り広げられるからこそ面白い!

ところで、現在行われている予選グループの各リーグ戦においても明らかな様に、今回のロシア大会から新たに導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が試合の勝敗を握るケースが増えている。これまでのプロサッカーの試合では、レフェリーによる誤審は少なくなかったし、ファールに対する厳しい判定や、明らかに理解できないPK付与などは試合の一部であると受け止められてきた。
しかし、VARというハイテク技術を使うことで、審判や観客が見ていないところでの姑息なプレーや無理やりファールをもらおうと倒れこみをする所謂「シミュレーション」が極めて困難になってくる。

6月15日に行われたグループB予選の「スペイン
対 ポルトガル」において、ポルトガルのエース『C・ロナウド』がスペイン陣内のペナルティーエリアで倒れ込んだプレーは、もしVARが導入されていなければ、審判による当初の判定は覆ることなく、そのままPKがポルトガルに与えられていたはずだ。VARの導入により試合中の様々な判定は公平になるであろうが「人間臭い駆け引きがあるサッカーという試合から、一種の面白さを奪ってしまうのでは?」と私は少し懸念を持ってしまった。

VAR導入で、これまでの常識が変わりつつあるサッカーの試合に擬えるわけではないが、株式や為替市場といった金融市場においても、今までに経験したことがないタイプの米大統領が登場したことにより「これまでの常識や通念というものが使えない市場」に変わってしまったといえるかもしれない。

グローバル経済化が進んだ世界の中で、保護貿易政策を推し進めることは、どの国にとってもメリットはない、つまり貿易制限や自国産業を保護する名目で関税を引き上げれば、直ちに相手国から報復を受けることになり、結果としてどちらの国も勝者になり得ない。
国境をまたいでサプライチェーンが進んだ生産及び調達スキームの中では、貿易戦争を繰り広げている当事国だけでなくでも大きな影響を受ける。米中貿易摩擦が激化すれば、中国へハイテク部品や精密機械を輸出する日本企業は大きな悪影響を受けるだろうし、米国が強硬に推し進めている北米自由貿易協定/NAFTAの見直しにより、メキシコに生産拠点を持つ日本の自動車メーカーは今後の事業見通しや投資計画に狂いが生じる事態となるだろう。

トランプ米大統領はツイッターでの呟きで、発言内容がは日々変わってもはや朝令暮改は日常茶飯事である。アメリカ第一主義は彼の公約であるし、貿易赤字の削減は分かりやすい政策目標であろうが、市場原理や経済合理性を欠いた強硬な通商政策は市場を大きく歪め世界貿易を停滞させることになる。それによって、米国主要企業の業績悪化による株価下落はもとより、彼及び共和党を支持する米国の有権者の利益をも損なう結果になり得ることに早く気づいて欲しいものだ。

トランプ大統領による対中通商摩擦が貿易戦争に発展することははもちろんのこと、鉄鋼/アルミニウム(既に導入済みで、一部製品が適用除外となった)や自動車に対する輸入関税の大幅引き上げ等は、11月の中間選挙に向けた一種の政治パフォーマンスで、実際には実施されないだろうと市場関係者は高を括っていた。

これまで幾分甘く見積もられていたトランプリスクが、大きな市場の混乱とともに市場関係者の考え方や常識を根本から変える事態になりつつあることを、サッカーW杯ロシア大会でのVAR導入と重ね合わせて考えてしまった。

at 18:46, gmoneylife, -

comments(0), trackbacks(0), -

償還が相次ぐ投資信託、四半期ベースで本数が初めて減少したことの意味

公募投信の本数は、上場企業の数の3倍以上もある


皆さんは、日本で一般個人向けに販売・運用されている投資信託(公募投信)が何本あるか知っているだろうか?


一般社団法人 投資信託協会が発表した統計資料によれば、2018年4月末時点で公募投信は6,144本あると確認できる。ちなみに、公募投信の純資産残高は、同年4月末で111兆4,632億円と巨額だ。

東京証券取引所第1部に上場されている銘柄数が約2,000社だから、その3倍以上ある投信の本数は決して少なくない、いやむしろ多過ぎると言っていいだろう。

https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/


ところが、年々増加を続けていた投資信託の本数が2018年1〜3月期に減少したことが日本経済新聞の記事で報道された。四半期ベースでは、統計データのある2008年以降、本数の減少は初めてとのことだ。

2018年の第1四半期に112本の投信が新規設定された一方で、120本が償還されたので、差し引き8本が2017年末から減少した。


かつて人気だった毎月分配型投信は・・・


日本では、個人投資家(主に、金融リテラシーが高くない高齢者層)が好む毎月分配型の投信がこれまで増えていたが、近年は金融庁から長期の運用にそぐわないと厳しく批判されている。また、その時々に話題となった投資テーマに沿った投信が金融機関にとって販売しやすいとされてきたが、その様なテーマ重視の投信設定は減少傾向にある。

金融庁による指導やガイドラインの影響もあるだろうが、投資家自身が、分配金や商品内容の目新しさよりも投信の運用実績を重視するようになっていきていることが背景にある。

日経新聞の記事でも指摘されている通り、投信の市場構造が変わりつつあるのだ。


これまで、銀行や証券会社をはじめとする投信の販売会社は系列の運用会社と組んで、テーマ性があったりリスクの高い資産を組み入れて分配金利回りを高く設計したりした投信を相次いで新規設定してきた。


設定当初の販売攻勢で運用残高を一気に積み上げて販売手数料を稼ぐ取ために、勧誘しやすい投信の本数をどんどん増やしてきたわけだが、投信の本来あるべき姿(長期資産形成に資するという意義)からかけ離れた商品設計・販売姿勢スタンスから、ようやく軌道修正が図られた結果であるのなら、投信の本数が減少したことは喜ばしいことであるといえよう。


大手運用会社の投信も償還が目立っている


投信全体では依然として資金の流入が続いているが、毎月分配型や低金利で運用しにくくなっている債券型の投信の償還が目立っている。

大手運用会社のアセットマネジメントOneは、3月に毎月分配型の債券投信を償還し、大和住銀投信投資顧問は4月に高金利債券で運用する投信を償還した。いずれも残高が小さく、運用会社が効率的に運営するのが難しいからだろう。


投資対象の資産やその市場規模にもよるが、投信が安定的に運用にされるためには、少なくとも50億円程度の運用残高が必要だと言われている。

保有している投信が運用状況に関わらず償還されてしまえば、含み損失を抱えている個人投資家にとっては強制的に損失を確定させられることになってしまう。運用残高が少な過ぎる投信は最初から選ぶ対象から外しておくことが無難だ。


投信の償還や運用会社の合併は、投資家にとってメリットがある


運用残高が少ない小規模の投信が償還(または整理・統合される)されることや、運用会社同時が合併することで運用効率が高まれば、運用管理費用(信託報酬残高)の引き下げも期待できる。

そう考えると、個人投資家にとって投信の本数減少の流れは大いに歓迎できることかもしれない。

at 09:00, gmoneylife, -

comments(0), trackbacks(0), -